第60回:異文化人とのコミュニケーション

第60回:異文化人とのコミュニケーション

掲載日: 2020年2月19日
執筆者: 株式会社スクウェイブ
社長室マネージャー
沼澤 綾佳

2020年の年明け早々からアメリカとイランのニュースに世界が釘付けになった。正月気分もさめざめ、よもや第三次世界大戦が始まるのかと誰もが固唾をのんで見守っていたことだろう。戦争こそ回避されたがそれでもなお緊張状態は続いている。

ふたを開けてみればまたアメリカのプロパガンダである。イランがアメリカの重要施設の爆破を企てているという情報を得たとして、トランプ米大統領はイランのソレイマニ軍事司令官を暗殺した(殺害の真意についても憶測が飛び交っている)。その後TwitterやFacebookも駆使したイタチごっこのようなやりあいの末、運よく戦争は回避される方向に落ち着いたが、当初のアメリカ軍事基地爆破計画がどこまで本気で計画されていたのかは判別がつかない。
しかしそういった不確かな情報だとしても、国民感情を煽り、自分たちにとって都合のいいようにいくらでも料理することができるのだ。2001年の同時多発テロに至っても、イラクに大量兵器があるとの情報が入ったと空爆し、実はそのようなものは存在しなかったことが後で判明した。この時も世論をうまく煽動している。
こうした経験を経て次こそは騙されぬと決意してもなお騙されているのだから、私たちは情報を利用しているようでいて、結局は情報に踊らされてしまう。それは自身の記憶や経験、そしてその時々の感情が判断に大きな影響を及ぼすからであろう。
ビジネスの場においても、自身の若いころの経験や価値観をもとに決めつけて判断し、部下を指導していないだろうか。時代は日々刻々と移り変わっている。昭和から平成、そして令和へと移り変わるその時に何が起きていたか。日本は戦争と敗戦ののち高度経済成長期を迎え、バブルを経験し、そして崩壊するに至った。高度経済成長期を基準とした目線で「失われた20年、30年」と言われても、今の30代以下は失われた時代しか生きていないことになる。育った時代背景がここまで異なるのだから、昔の経験がどこまで通用するかは語るに忍びない。
特に平成は、時代変化スピードの目覚ましい時代でもあった。Windowsの登場、固定電話からポケベル、ガラパゴス携帯、そしてスマートフォンに至るまで、実に目まぐるしい変化である。しかし令和生まれの子供たちは生まれながらにして既にスマートフォンがこの世に存在する世界に産み落とされ、子供のころから当たり前のようにYouTubeで動画を見て、習い事ではアプリの作り方を学ぶ。同じ日本人でありながらこの経験差はもはや「世代差」を超えて「文化差」に値するものと考えている。
文化が違うと何が起こるか。扱う言葉や考え方のベースが異なる。そして使用してきた言語発信ツールが異なるため、情報の取り方や人脈形成の仕方も異なる。何か特別なことがなければ年賀状は出さないであろうし、メールで済む内容ならばわざわざ郵送もしない。従来の方法より効率重視になってきているのだ。
用いるコミュニケーションツールが対面からネット、SNSなどのツールに移行し、その比重が大きくなるにつれて、“自身が発した言葉を相手が同じ意味やニュアンスとして受け取る土壌”は育たなくなっている。ここではその善悪を語らないが、一つ確かに言えることは、対面を介さないコミュニケーションだけでは、人体が発するnonverbalな情報をくみ取れないのである。
人間はそこにいるだけで情報を発している。表情や顔色、声音、機嫌や態度、服装やしぐさ等からも分かるように、対面の場合には文面上では読み取れない情報交換を行っている。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した3Vの法則(https://ja.wikipedia.org/wiki/メラビアンの法則)にも表れており、nonverbelな情報がもたらす影響は大きい。そして毎日同じ状態の人など存在しないので、日々移り変わるものだ。
明らかに文化の異なる外国人とコミュニケーションをとろうとした時、私たちはまず何をするだろうか。自己紹介をし、相手に自分を開示し、そして相手のプロフィールや背景にある国の文化を知り、互いに理解を深めようとするだろう。日本のビジネスの場におけるそういったコミュニケーションの場としては飲み会が主であったが、そこにも文化的変革が起き始めているのでこの形態も変わっていくと思われる。
では、飲み会以外でどのようにコミュニケーションをとっていくのか。まさに日頃、顔を合わせる瞬間そのものが肝となるだろう。顔を合わせることで初めて気づくことがある。メールや電話、チャットは大変便利な機能であるが、人間が生身である以上、それだけでは生の情報交換としては不足する。一言二言、顔を合わせる会話を毎日積み重ねることからより深い関係が蓄積されていくのである。
コミュニケーションツールが多様化し速度と利便性はますます高まる中で、やはり区別が必要になってくる。正確性が求められる連絡にはverbalコミュニケーションを中心に用い、相互理解促進の際にはnonverbalコミュニケーションの機会を増やすよう心掛けるべきだろう。互いをモンスターと思う前に、会話のツールをうまく使い分けていきたいものだ。
日々のコミュニケーションの補佐として弊社のサービスであるタイプ別診断はまさにうってつけである。普段のnonverbalコミュニケーションにしか現れない潜在的な相手の欲求の理解促進につながるはずである。
「モチベーション・マネジメント戦略クリニック R/2」
(SCM2 - Strategic Clinic for Motivation Management)http://www.k2wave.com/counseling/motivation.html
「戦略組織モチベーション・スキル革新プログラム(マネージャー向け)」
(NAM3®-Novel Approach to Motivation Management for Managers)サービス)
http://www.k2wave.com/counseling/nam3.html

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