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第52回:モチベーション・マネジメントの重要性~元東芝社員の舛岡富士雄氏の偉業とスリーニーズ

第52回:モチベーション・マネジメントの重要性~元東芝社員の舛岡富士雄氏の偉業とスリーニーズ

掲載日:2017年11月27日

執筆者:株式会社スクウェイブ
代表取締役社長
黒須 豊

皆さんは、元東芝の技術者で舛岡富士雄氏(以降、舛岡氏)を御存じだろうか。近頃テレビでも振り返りの特番が組まれたりしており視聴した人も少なからずいるだろう。

彼は、フラッシュメモリの発明者として、業界では大変著名である。2007年春の褒章で紫綬褒章、2013年に文化功労者、2016年秋の褒章で瑞宝重光章が贈られている。彼らの発明が無ければ、iPhoneは存在していない可能性が高い。

但し、そんな偉業を成し遂げた技術者でありながら、東芝時代の彼は、必ずしも順風満帆というキャリアではなかった。

『東芝は舛岡を地位こそ研究所長に次ぐ高い地位だが、反面、研究費も部下も付かない技監(舛岡曰く窓際族)に昇進させようとした。研究を続けたかった舛岡は、何とか研究を続けられるよう懇願したが受け入れられず、1994年に東芝を退社した。1992年に東芝は当時は未熟だった市場拡大を目的としてNAND型フラッシュメモリの技術をサムスン電子に供与したが、サムスンは巨額投資を重ねることで東芝を追い抜いて世界のフラッシュメモリのシェアで首位に立っている。東芝のNAND型フラッシュメモリも利益の大部分を稼ぎ出す主力事業に育ったが、2017年にも東芝首脳部の判断への批判があり舛岡も東芝だけではなく日本にも自身の開発した技術を正しく評価してくれる者がいなかったと嘆いている。』 by Wikipedia.

舛岡氏は、RAMの研究開発が全盛の時代からフラッシュメモリの開発に取り組み、社内では白い目で見られながらもやり遂げた。東芝では相当な評価はされなかったが、技術者として現在は達成感に浸っているに違いないことはテレビのインタビューからも十分伺えた。

さて、私は直接お会いしたことは無いが、偉大な舛岡氏に対して深い敬意の念を抱かずにはいられない。おそらく、私と同じスリー・ニーズ、特にNeed for Achievementが強い人に違いないと確信する。スリー・ニーズとは、人が仕事をしたいと欲する欲求は3つに大別出来るとする米国の心理学者デイビッド・マクレランドが提唱した理論に基づくものである。

スリー・ニーズとは、以下の3つを指す。

出典:スクウェイブ社

スクウェイブでは、このスリー・ニーズ理論を基礎として独自に発展させた「モチベーション・マネジメント戦略クリニック R/2」サービスを展開中である。このたび、当サービスの入力インタフェースをWEB化した。使い勝手が良くなっただけでなく、簡易診断(無料)に関しては、自動的にフィードバックする仕組みが完成した。
※簡易診断は「モチベーション・マネジメント戦略クリニック R/2」サービスページからご利用ください。

この3つのニーズの大小関係で、人のタイプを「職人気質」から「世話好きや」まで13種類に分類できる。

組織内において、これらのタイプの違いによって、ミス・コミュニケーションが発生していることが分かっている。例えば、Need for Powerが強い「親方」タイプの上司が部下に対して業務指示をする上で動機付けを行う場合、往々にして相手も同じタイプであると思い込んでしまい、自分が優先するニーズ(ここではPower)を前提とした発言をすることが多い。

例: 「この仕事やりきったら昇進候補として推薦するから頑張れ!」

しかし、仮に部下がNeed for Powerが弱い「伝統ある同好会」タイプ(実は日本人に多い)だとすると、全く心に響かない。「伝統ある同好会」タイプは、Need for Affiliationを最重視する。昇進なんかよりも、この仕事が如何に組織にとって役立つことか、そして、その為に自分が如何に必要とされているかを切々と説くことが必要である。

ちなみに、Powerが強い人は組織改革の時などには必要となる。政治家の小沢一郎氏などは、この典型だろう。彼は変革には向いている。但し、結果的に自民党政治を壊したいこと以外に目的が見えない。菅直人氏が民主党振り返り会見で、小沢氏を称して、「あそこまで権力欲が強いのには驚いた。」と嘆いていたのが記憶に残るが、私の分析では、菅直人氏も物凄いPowerタイプの人間である。緊急事態に現場の迷惑を顧みずに、福島原発にカメラ同伴でヘリコプターで乗りつけた行動は正にその証左と言える。

たまたま悪い例が多くなったが、Powerタイプ人間は本来、変革には適任である。特に、今後、デジタル・トランスフォーメーションが進展する中で、広くは社会も、そして、特にIT組織に変革が迫られることは確実である。是非、権力欲だけでない中身のある政治家、そしてITのリーダーの登場を期待したい。

ところで、従業員満足度(ES)調査を実施している企業は多い。しかし、ES調査は多くの場合、単なる不満足度調査に終始している。つまり、満足度調査と言いながら、実態は不満足度の調査であり、ガス抜きの効果程度しか役立っていないケースが少なくない。

ガス抜きは不要だとは言わないが、単なる不満と純粋に仕事をしたいと思っているかどうかは切り分けるべきである。世の中には、不満は一杯あるが、仕事に対して実に前向きな人もいれば、不満は言わないが、実は仕事はあまりやる気がない人はたくさん存在する。

マクレランド博士のスリー・ニーズは、純粋に、人が仕事をしたいと思うニーズのみに特化した研究を行ったという意味において画期的である。そして、スクウェイブの「モチベーション・マネジメント戦略クリニック R/2」は、彼の理論を基礎において、組織の仕事に対するニーズ、やる気を可視化するとともに、個人に対して気付きを与え、上下間、メンバー間のコミュニケーションを円滑にするヒントを得ることができるサービスである。

法令施行に伴い漫然とストレスチェックと、不満足度調査だけ実施している企業も少なくないが、是非、どうせやるなら本格的に従業員の仕事に対するやる気を喚起させるために、画期的な「モチベーション・マネジメント戦略クリニック R/2」のご利用をお勧めしたい。

※ なお、希望者には、スリー・ニーズタイプ別のより適している職種や業務などについてまとめた冊子を進呈する。こちらよりご連絡頂きたい。ただし、対象者は法人組織の経営陣又は、勤めている正社員、正職員限定とさせて頂く。

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