第63回:「DXの本質:私の考察」

第63回:「DXの本質:私の考察」

掲載日:2022年8月26日
執筆者:株式会社スクウェイブ
エグゼクティブ・ディレクター
林 昌宏

DXという言葉は世の中にかなり定着したと思う。守りの投資性向が強い日本においては歓迎すべきことである。しかし、残念なことに本来のDXの恩恵を得られないでいる企業が後を絶たない。それはなぜか?
誤解を恐れずに言えば、デジタル化することがDXと思っている向きがあることである。単にデジタル化してもそれは情報がITで扱えるようになるだけであり、その先の目的がしっかりデザインされていなければ、場合によっては弊害の方が大きくなることさえある。業務の現場で、コンピュータへの入力作業が増え、少しも楽にならない、逆に残業が増えたという話をよく聞くことがある。まさにそうした状態を招くことになる。
従来のIT化の時代はITによる合理化、省力化を目的にしていたことは周知のことだと思う。DXはそれをさらに一歩進めて、効率化だけでなく、ビジネスそのものをリデザインし、再生産することが肝要である。様々な事例があるが、たとえば、某タイヤメーカが従来のタイヤを売り切るビジネスモデルに加えて、IoT技術を活用して走行した分だけ利用料金をチャージするという新たなビジネスモデルを構築している。これによって他社の追随を許さない市場での優位性を確保すると共に、そこから得られるデータによってサービスの改良や新たなサービスの手掛かりを得る仕組みを実現している。まさに経営戦略そのものと言っても過言ではない。このようにDXは企業の戦略そのものが問われるものであり、現代における生存戦略のひとつである。
こうしたDXの進展は歓迎すべきことであるが、光があれば陰があるように、一方で心配なこともある。昨今、非常に活発化しているサイバー攻撃である。残念なことに、ITを活用すればするほど、そのリスクは高まると言わざるを得ない。特にライフラインなどのインフラを狙った攻撃は後を絶たず、病院や自治体、企業においても、ランサムウェアなどのサイバー攻撃に合い、一時的とは言え操業を停止せざるを得ないという事態まで起きている。DXで企業の変革を目指す傍ら、こうした負の側面にも目を配りつつ、サイバーレジリエンスを高めていく必要がある。
その際に重要となってくるのが、サイバーセキュリティに関する点検や監査、そして自社に合ったサイバーセキュリティ対策の計画的な導入である。セキュリティは様々な要素から構成されるため、単眼的に何らかのソリューションを導入しても、大きな効果は期待できない。組織、ビジネスの環境や行動は様々であり、自社における重要事項は何か、真に守るべきことは何かを明確にし、それに対して弱点を分析し、目標とするレベルをどのように実現していくのかを綿密にデザインし、計画的に実現していくことが必要である。一歩一歩、まるで亀の歩みのようでもどかしいかもしれないが、それが明日の礎となる。
スクウェイブでは、そうしたサイバーセキュリティの分析から対策立案まで、様々な組織を支援してきている。是非、当社のサービスの活用を検討頂きたいところであるが、それだけでなく、最近の取組みについても少しご紹介させて頂きたい。
それは、我々スクウェイブが多くの組織に対してサイバーセキュリティの分析や各種提言を行ってきた中で、良く見聞きしたことに端を発している。
サイバーセキュリティはご存じの通り、様々な技術的対策を講じるだけではその効果は発揮しきれず、エンドユーザが相応の意識を持って、日々の活動を行っていくことが重要である。そのため、各企業では、所謂セキュリティ教育を行っている訳であるが、実態として、セキュリティ教育のマンネリ化、形骸化が起きており、エンドユーザからは「またか」、「しょうがない」、「面倒くさい」といった負の感情、声がとても多くなっている。ネガティブな気持ちでいくら時間を使ってもあまり効果は期待できないことは各組織の担当者も理解していたが、他にやりようがないということであった。
そこで、スクウェイブでは、もっと楽しく、前向きに学べるべきだと考え、新たな仕組みとして、サイバーセキュリティ教育のエンタメ化に取り組んだ。
その結果、サイバーセキュリティの教材として、双六ゲームの「サイバー双六」、テトリス風のブロック消しゲームの「FILLIS」、クロスワードパズルの「サイバークロス」といった、ゲーム感覚でセキュリティを学べるサービスを開発し、提供を開始している。是非、蔓延しているネガティブな感情を払拭し、組織全体で一丸となってサイバーセキュリティ強化に取り組んでいけるように活用を検討頂ければ幸いである。

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