第1回:「本コーナー開始にあたって:年金問題とSLAを考える」 ースクウェイブ 黒須 豊

第1回:「本コーナー開始にあたって:年金問題とSLAを考える」  ースクウェイブ 黒須 豊

掲載日:2004年6月30日
執筆者:株式会社スクウェイブ
代表取締役社長 黒須 豊

・さて、第1回目は主催者として何か徒然なるままに書いてみたいと思う。今現在の時事ネタから言うと、北朝鮮問題、イラク問題、または年金問題がホットな話題だろう。今回は年金問題について私なりの意見を述べてみたい。

・年金制度の疲弊状況は正に致命的と言える。こんな制度を作って運営して逃げてしまった責任者である当時の役人や政治家は、今生きているなら全員切腹すべきだと思うが、皆さんはどうお考えだろうか。
そもそも、私は年金が世代間の助け合いという発想自体が好きになれない。年金は、国民年金であれ、厚生年金であれ、将来の自分を助けてやるから、今は、現在の老人たちのために金を出せと言うわけである。

・社会的な助け合いの精神を否定する気はさらさらないが、この年金制度に関するかぎり、全く賛成できない保険制度だと感じている。その最たる理由は、自分で 掛け金を自由に調整する権利もなければ、払った額と受け取る額のバランスが悪いというよりも、ほとんど無関係なのではないかと思えてしまうほどひどい状況 にあるからである。

・この話は実はITの世界で言うところのSLA/M(Service Level Agreement/Management)に通じる話である。受けるサービスのレベルに応じて支払うサービスの金額が変わることは誰もが異論はないだろう。問題は、そのレベルも受けているサービスも明確に見えない場合である。つまり、受けるサービスとその対価の妥当性が見えないのである。
年金も、正に支払う額と将来自分が受けるサービスの妥当性が見えないのである。さらに年金の場合は、自分が支払う額さえも自分では決められないだけでなく、さらに建前上は任意に途中でやめることすらできないのであるから呆れてしまう。本来、毎月いくら掛け金を支払うと将来いくら受け取れるのかを明示した上で国民に掛け金を決定させるべきである。
厚生年金で言えば、給与が増えると勝手に年金額まで増やすのではなく、増えた給与の中からどれくらいを年金に回すのか、あるいは、現在の生活向上のために使用するのかを、国民に決定させるべきである。

・ところで、SLAはStatic Level Agreementになってはいけないと再三警告してきている。つまり、現在の約束だけ守ってもらっても特にアウトソーシングのような長期の契約においては、時代の進化につれてサービスの内容が陳腐化してしまうからである。言うまでもなく時代の進化に対応してくれないプロバイダーは淘汰されるべきである。 ユーザーは、いつでも時代のTop-of-Breedのプロバイダーを選びなおす権利を常に留保すべきなのである。

・私は是非社会保険庁に年金のSLAを国民と結ぶことを提案したい。その内容は言うまでもなく明確に見えなければならない。また、契約は任意にサービスレベルを国民が選択できなければならない。もし、将来社会保険庁が時代の進化に対応できないならば、国民は別のプロバイダーを選択する権利を留保する。政治家には、是非、そんな年金制度を提案・構築して頂きたいものである。

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